2010693 ランダム
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第1話 待ち受けるモノ

第1話 待ち受けるモノ

シンジが第3新東京市に向かっている時、既にそこは戦場と化していた。
飛び交う戦闘ヘリ、道を行く戦車の群れ。
そして、その砲撃の先にあるモノは・・・・・・・、巨大な怪物!
自衛隊の必死の攻撃を意にも介さず、一直線に進んでいく怪物のその姿は、何者かに導かれているようにも見えた。

一方、第3新東京市に着いたシンジは、手紙に同封されていた写真に書かれていた待ち合わせ場所で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、待ちぼうけをくらっていた。
念のために、記載されている番号に電話を掛けてみても、

<ただいま東海地方全域に非常事態が発令されています…>

受話器から流れ出る録音の音声を聞いてシンジはため息をついた。

「だめか。あんな怪獣が暴れてるんじゃ仕方ないかな。」

 そう言いながら、ここに向かう途中目にした光景を思い出す。
ミサイルや砲弾を何十、何百発、その身に受けても歩みを止めなかった巨人の姿を。

「よりによって、待ち合わせの日にあんなのが出てこなくてもいいのになあ。」

 そう呟きながら片手に持った写真を眺める。
そこにはキスマークがつけられ、胸の谷間に「ココに注目」と落書きされた若い女性が写っていた。

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「こんな変な写真を送ってくるくらいだから、きっといい加減な人なんだろう。」

待ち合わせ時刻を大幅に過ぎている腕時計をもう一度確認したシンジはようやく腰を上げた。

「これだけ待ったんだから約束は果たしたことになるよな?
いつまでもこんなところで待っていられないし。」

そう思いつつ、ふと目を上げると、交通の途絶えた道路の真ん中に少女が立っているのが見えた。
中学生らしい制服を着た少女。水色の髪の毛。
蜃気楼のように、そこにいるのかどうか定かではない姿。

しかし、何かの物音に気を取られ、目を離した隙に少女の姿は消えてしまっていた。
あわててあたりを見回すが、それらしい姿は、もうどこにも見えない。
瞼に残る少女の面影を探しているうちにも、爆音は着実に近付いてきているのであった。

つづくよ。


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